さて、マザーグースがいい!って言う話は、あちらこちらで見かけますが、
なんでいいの?
っていう素朴な疑問にバッシーン!と答えている記事を見たことはありますか?
多分、普通にいろいろ言われているとは思うのですが、正論過ぎて「へぇ…」って流れていくものが多い気がします。私はそう!少なくとも私はそうでした。
でも。
なんちゃって親子英語を始めて10年。
今、激しく後悔しています。
マザーグース、まじめにやっとけばよかったぁぁぁあああ!!!
と。
私の失敗談を紹介しますね。
もう、ほんと、これから親子英語を始めるママ達には、私と同じ失敗は、出来るだけしないでほしいと思います…。
さかのぼること10年くらい前。
長男が生まれてから、私がまず始めたことは、英語の歌のかけ流しでした。
自分で歌える歌もちょっとずつ増やして。
Eテレのえいごであそぼが好きだったので、それで今風の歌も覚えたりして。
とにかく歌は英語で歌っていました。
そして長男が1歳になったころ、次男妊娠を機に前職に戻ることはやめ、自分で親子教室を始めることにしました。
その時に、私は、大きな間違いをしてしまったのです…。
親子英語をしている人なら一度は聞いたことがあるだろう有名なネイティブの子どもが歌うマザーグースのCDと、英語育児に興味のあるママや英語講師なら、きっと誰でも知っている有名な日本人向けレッスン用CD。
私は後者を選びました。
なぜなら、歌いやすかったから。私は英語が苦手なママたちを対象にレッスンをすると決めていたので、ネイティブスピーカーの子どもたちが歌うマザーグースのCDよりも、日本人でも歌いやすいようにアレンジされたレッスン用CDの方を使うことにしたのです。
それから、ずーーーーーーっと、そのCDをメインにレッスンしてきました。家でもかけ流していたのはそちらの音源です。
しかし…
これがアカンかった…
英語が苦手なママだからこそ、ネイティブの子どもたちが歌う、ナチュラルな英語の発音を教え、リズムを教え、それらを歌えるように教えてあげるべきだったのかも、と今なら思います。
もちろん、何もしないより英語の音に馴染むことは出来るし、英語が苦手なママでも歌いやすいから親子で楽しめた、といういいこともあります。すべてが間違いだったとは決して思いません。
英語に親しむ、親子で楽しむ、という目的だけだったら、やっぱり親しみやすく楽しみやすいことがイチバンだと思います。
でも、数年後、ナチュラルな英語での発話を望むなら…
ナチュラルスピードでネイティブの子どもたちが歌うマザーグースのほうがいい。
発音の面だけを考えたら、間違いなくこちらの方がよかったんですね。
英語の発音は、1つ1つの音を出せるようになっても、それで発音がよくなるわけではありません。
日本語にはない英語ならではの音を1つ1つ学んだら、それを組み合わせることで単語として発音出来るようになります(それがシンセティックフォニックス)。
でも、日本語のように、単純につなげて読めばいい訳ではなくて、単語の中にも音の強弱があります(この音の強弱まで説明できるかどうかは先生によります)。
単語がいくつか組み合わさったら文になります。
文になったときに、単語を1つ1つ発音していては、それは英語ではありません。1つの文の中に、弱く読む単語強く大きく読む単語がまざっています(英語の先生の多くはこれを無意識のうちにやっています。ネイティブスピーカーと同様に。だから、強弱や緩急の理屈を説明できる先生も、今のところそう多くはないと思われます)。
そして、弱く読む単語は、2つ3つくっついて、まるで1つの音のように聞こえます。この段階になると、英語の発音を学んでいない日本人は、ほぼ聞き取れません。
聞き取れない音は、話すことも出来ません。
こういう発音習得の過程を、ネイティブスピーカーの子どもたちは、マザーグースを通して身につけています。遊びのなかで、です。
親がネイティブスピーカーだから、子どもが勝手に英語が話せるようになっているのではなくて、子ども時代に言葉遊びや手遊びを通して、そういうリズムとか活舌とかを無意識のうちに練習しているんですね。
日本人の子どもたちが、「トントントントン ひげじいさん」を歌いながら、日本語のリズムを心地よいと感じるようになるのと同じように。
英語圏の子どもたちは、マザーグースに親しみながら、なめらかな英語の発音とリズムの心地よさを育てていくんです。
だから。
マザーグースは本来は、ちゃんと英語らしい発音とリズムで、英語圏の子どもたちがちょっとずつ覚えていくのと同じように、ナチュラルなスピードで覚えていくことで、その価値が生まれきます。
日本人が歌いやすいように歌詞を簡略化したり、メロディーを日本人向けにシンプルにしたり…それではいつまでもナチュラルな英語は入らないし出てこないですよね。
お母さんやお父さんが、英語がすごく得意で、日常生活に英語があふれている環境で育ったお子さんであれば、日本人向けにアレンジされた曲を聞いていても、英語のリズムを習得することは可能かもしれません。
しかし、そうでもないご家庭では、あるいは、うちのように、親が英語講師でも選曲を間違えていたら…。
そりゃ、英語の音感が育たないのは当たり前…ですよね(涙)
英語の歌を通して、日本語の音感を育てているようなものですから。
マザーグースは大切だけど、なんでもいい訳ではなくて、ちゃんと英語のリズムで歌われていないと価値が半減するということです。
繰り返しになりますが、日本人向けにアレンジされたものがすべてダメだとは思いません。目的と結果が一致していればいいんです。
私が今まで提供してきたレッスンは、“英語の入口を親子で楽しいものにする”という目的だったから、いいんです。ちょっと悔やまれますが、今までのレッスンがダメだったとは思いません。無意識のうちに選んでいたいい曲ももちろんあります。決して過去の選択がすべてダメだったとは言いませんよ。
しかし、10年たって、自分の息子たちをみて、やっぱりもっと発音をちゃんとしてあげたいと思うようになりました。
英語が苦手なママたちにも、10年たった時に「小さい時からやっててよかった!」と思えるような、親子英語を楽しんでほしいと思っています。
親子英語を通して、私と出会って、そして私のレッスンから離れた後も、「あの時のあれがここにつながってるんだ!」と数年後思ってもらえるような、そういうレッスンにしたいなと思っています。
だから。
これからの親子英語レッスンでは、マザーグースは、ネイティブの子どもたちが歌うように、歌います。
もちろん、いきなりRepeat after me!なんてことはしませんよ♡
日本語にはない発音をちゃんと、口の形、息の吐き方、舌の使い方から学び、それを応用して、はじめは簡単なマザーグースから、少しずつレベルアップさせていきます。
マザーグースは、口の体操のために歌います。日本語にはない音をなめらかに発するために、早口言葉を練習するみたいなイメージですね。
マザーグースはそもそも音遊びみたいなものなので、そこに深い意味はなかったりします。口ずさんでいて心地のよい音の単語を選んでいるからです。トントントントンひげじいさん、とかも、意味を考えたら訳わかんないですよね(笑)
マザーグースに合わせて手遊びもすれば、それは親子のふれあいになります。英語のお勉強チックにはしません。あ、ママはちょっとお勉強ですが。子どもとの関わり方は、お勉強ではありません。
英語の絵本も同様に。
日本人が聞いてわかりやすいような英語で読むのではなく、ネイティブスピーカーが読むような発音とリズムで読みます。
なんでネイティブスピーカーの発音が聞き取れないのかを、音を分解して説明するので、必ずみなさん言えるようになります。
もちろん練習は必要ですが、これも少しずつ少しずつレベルアップしていくので、その成長過程をお母さん自身が楽しめると思います。きっと!
私、コミュニケーションツールとしての英語は全然使いこなせてないんですけど(笑)
音あそびというか、英語を声に出す楽しさっていうのは、すごくすごく感じているんですよね。
日本の家庭で、日本の社会で、日本語にまみれて生活していると、英語の必要性なんて感じないから、モチベーションも人と関わる気持ちも、全然湧いてこないんですけど(笑)
でも、この音感を、歌と絵本で維持していれば、現地に行ったときに困らないと思います。現地に行けば、英語が出てきます。今は全然出てきませんが、必須の環境にいけば、なんか出てきます。
この“現地にいったらなんか出てくる”という感覚を、親子英語レッスンでちょっとずつ育んでいけたらいいなって思っています。
ほんとちょっとずつですよ。
発音指導のレベルは高いですけど←自分で言う(笑)、でも、進めるペースはゆっくりと着実に。定着できる量で進めていきます。
以上、なんでマザーグースが大事なのか、っていう話でした。
目的と結果を踏まえて、曲は選んでくださいね!ネイティブスピーカーのマザーグースが何が何でもいい!という訳ではありませんので~(^-^*)
どんな曲であれ、子どもの時から英語に触れていれば、かならず将来につながっていきます。うちの子たちも、なんだかんだで、私が伝え方を変えたら、リズム感も変わってきました。
親子英語の成功失敗なんて、一生わかりません。英語はいつから始めるかではなく、いつまで続けるかが大事ですから。
ゼロじゃなければいい♡ 楽しいのがイチバン! それはいつでも変わりません♡
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